【観た映画】高良健吾・尾野真千子主演「きみはいい子」
鑑賞日
2015/08/14/金
ちょこっと解説
- 「そこのみにて光輝く」で第88回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞を受賞した呉美保監督最新作!
- 高良健吾が良い役者になっていた
「HERO」
解説(KINENOTEより引用)
中脇初枝の同名小説を原作に「そこのみにて光輝く」の呉美保監督が映画化した群像劇。とある町に暮らし、様々な悩みや問題を抱えて生きる人々が人と人とのつながりに光を見いだし、小さな一歩を踏み出すさまを映し出す。出演は「横道世之介」の高良健吾、「そして父になる」の尾野真千子、「そこのみにて光輝く」の池脇千鶴、高橋和也、「盗まれた欲情」の喜多道枝、「ドライブイン蒲生」の黒川芽以、「おおかみこどもの雨と雪」の加部亜門、「もらとりあむタマ子」の富田靖子。
Myレビュー(ネタバレあり)
岡野先生なら大丈夫。
この映画の言わんとしていること全ては、タイトルに込められている。
娘を虐待してしまう母親。
虐待を受けている生徒をもつ新任教師。
障害のある子供と仲良く接する痴呆のおばあさん。
一見交わることない三者が物語に登場し、それぞれのストーリーが紡がれていく。
虐待を受ける子供と、虐待を繰り返してしまう親を見るというのはなんとも心苦しい。
しかし、それでも親を信じる子供の無垢な姿が痛々しく切ない。
それに気づき答えようとし始めるという筋書きが救いだった。
新任教師岡野役の高良健吾が良い役者になっていた。
新米ということもあり、はじめの方はその場凌ぎで生徒や保護者と向き合いプライベートでは彼女に愚痴をこぼしたりするのだが、クラス内で浮いている生徒達と一対一で向き合い、姉の子供とふれあっていく中で子供、親それぞれの立場に立ち返り、真摯に向き合っていくまでの短く・静かな成長を見事に演じきっていた。
どこか頼り無さげな岡野だったが、「家族の誰でも良いから抱きしめられて下さい」という宿題を生徒全員に出した所でこの新米教師ならきっと大丈夫、と思った。
きっと生徒想いの素晴らしい教師になっていくのだろう。
ラストシーンの決意を表したシーンも秀逸。
静かな涙があふれる綺麗な作品。