【観た映画】フェルザン・オズペテク監督「カプチーノはお熱いうちに」
バタバタしてしまいブログ投稿が遅くなってしまった…けど、変わらずコンスタントに劇場鑑賞してますよ。
鑑賞日
2015/10/17/土
ちょこっと解説
- 一人の女性と彼女を取り巻く人々の人生の物語
- ストーリーは邦題からは少し遠い感じ
「カプチーノはお熱いうちに」
▼シネスイッチ銀座で鑑賞
Myレビュー
エレナを愛する人々と、エレナの最高の人生の幕引き
本作品は大胆に主人公エレナの人生をカットしながら彼女の生き様を紡いでいる。
自分の店を持つことを目標に”カフェ・タランチュラ”でバイトをするエレナ。
憎しみながらも運命の相手に惹かれていくエレナ。
カフェ開業後から13年が経過し、母親になっているエレナ。
闘病生活を送るエレナ。
大胆なカットを多用し説明を省くことで、エレナと夫アントニオ、母親と叔母、親友ファビオとの関係性の大部分の説明を観客の脳内にゆだねている。
昔から浮気性で家を空けることの多かったアントニオが、エレナの病気とともに献身的になっていく。
失ってから気づくのではなく、その一歩手前で気づけたアントニオはあながち悪い奴ではなかったのだ。
スキンヘッド姿のエレナを見て、たまらず、病室で身体を重ねるシーンがなんとも切なく官能的。
物語のラストには、フラッシュバック形式で、当時親友シルヴィアの彼氏であったアントニオを奪ってしまったエレナがシルヴィアへ過ちを告白をするシーンが流れるが、そこで我々は初めて知る。
エレナと同時にシルヴィアも当時のエレナの彼、ジョルジオと浮気をしていたのだと。
その告白を聞き、思わず吹出してしまうエレナ。
あの日、海ですれ違った過去を慈しむような目をした現在のエレナと、シルヴィアの告白に笑い転げるエレナ。
二人のエレナが交差し合うラストは、彼女の最高の人生の幕引きを想像させ、じんわり、爽やかな涙が流れた。