コーヒー好き映画人の「とうきょう 映画くらしばなし」

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【観た映画】吉本実憂、内野聖陽主演 10月3日公開「罪の余白」

鑑賞日

2015/09/22/火

ちょこっと解説

10月3日公開の「罪の余白」一足先に鑑賞しました。

  • 娘を亡くした父親と心を閉ざして自立する少女の心理戦が切ない。
  • キャスティングがうまくいっており、吉本実憂の今後も楽しみな一作。

罪の余白

http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=84098

解説(KINENOTEより引用)

第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞した芦沢央のデビュー作を「スープ 生まれ変わりの物語」の大塚祐吉監督が映画化。娘を亡くし復讐に燃え暴走していく父親と、命を弄ぶ邪悪な女子高生との心理戦を描く。出演は「家路」の内野聖陽、「ゆめはるか」の吉本実憂、「白河夜船」の谷村美月、「瀬戸内海賊物語」の葵わかな、「わたしたちがうたうとき」の宇野愛海

Myレビュー

(※ネタバレあり)

主演二人がハマリ役で面白く観れる一本

娘を亡くした父と、娘の親友を名乗る少女との心理戦。
最初に予告編を観た時は、中島哲也監督の「渇き。」とストーリー的に被るかなと思ったが全く異なる映画だった。

幼い頃から女優を志し、自分を演じることでしか
自分を構築出来なくなってしまっている少女 咲は誰に対しても心を許すことなく、
誰かにこびることなく心を閉ざしている。
心ない言葉を親友や見ず知らずの大人に浴びせる咲の邪悪さは
そんな彼女の頑な女優になる目標からきているのだが、それ故に孤独な行き方しか選択することが出来ない彼女がなんとも悲しかった。
一方、最愛の娘を亡くしたショックから自暴自棄になり社会的信頼を無くしていく父親。
まんまと女優咲の思うつぼにハマっていく彼の姿もまた切なかった。

ラストの展開には驚き、果たしていかがなものかと思ったが、
キャスティングがうまくはまっているので面白く観ることが出来た。

けど、やはり咲にそそのかされてベランダの縁に立った加奈子の転落死は、
端から見ても事故だけれどその中にあった一瞬の心の揺らぎを思うとやりきれないなあ…。